こんにちは yoshiki-ojisan です。
今回の記事は
「部下が思ったように動いてくれない」
「どうして言われた事しか出来ないんだろう」
と部下や後輩の育て方に悩んでいる人達に読んでいただければと思います。
私は台湾に法人を設立して10年ちょっとが経ちます。
これまでに100人以上の台湾人の部下達と一緒に仕事をしてきました。
これまでの私の経験や失敗から学んだことや、同じく台湾で経営をしている知人からの話なども交えて、どうやったら台湾人の部下とうまく仕事が出来るのかのポイントをご紹介します。
はじめに
今回お伝えする記事はタイトルにあるように、能動的に動ける部下の育て方です。
知り合いの経営者からもよく聞く言葉なのですが、
「彼らは考え方が甘い」
「どうして言われた事しか出来ないのか」
「何故、こちらの言っている事が分からないのか」
など部下の育成という所で本当に苦労しているようです。
実際に私も部下の育成にはとても苦労しました。
そこで経験したことや失敗談などもご紹介致します。
一つ一つ細かな指示や指摘をするのはダメ
みなさん部下に仕事をさせるときに細かくやり方や考え方などを指導していませんか?
「これはこうした方がいんだよ」
「こうしないとダメなんだよ」 などです。
するとどうなるのか?
自分で考えずに言われた事しか出来ない部下になってしまいます。
また、注意する時や叱り方で、
「どうしてこんな簡単な事ができないの?」
「それくらい気が付くだろ?」
こういう叱り方を私は何度もしてしまいました。
私がこのような叱り方をしてしまったせいで部下は
「勝手なことをしたら怒られる」
「間違えたら怒られる」
と自主性をなくしてしまっていたのです。
そう気づいたときから私は細かく指示する事をやめました。
失敗をしたら自分が困る! を体験させる
店舗では毎日の釣銭用小銭が必要です。
ですので開店前には一日分のお釣り銭を用意しなければいけません。
しかし、時には営業時間中足りなくなることも多々あります。
以前こういった場合には「店長、釣銭がなくなりました。10元が足りません。」と無くなってから言ってきました。
それじゃあ困るだろという事で予備の小銭を準備しておくと、今度は予備がなくなってから「もう予備も有りません」と言ってきます。
今まで何度もこんなことが有り「無くなってからじゃなくて、残りが少なくなったら残り何枚です。と報告は出来ないのか?どうして何度いってもわからないの?」
と感情的に叱ってしまいました。
叱りながら私は自分で用意してある予備をだします。
これをやめました。なくなった場合は自分で何とかしろと突き放しました。
なんとそうするとこのミスはなくなりました。
彼女がどうやったのかというと、まず予備の予備を準備していました。
そして予備を使いだした時間をみて今から閉店まで予備の予備で足りるのかを考えました。
もし足りないかも知れないと判断したら手が空いている隙を見て隣の店で両替してきました。
そうです。
私が先を想定して失敗しないようにアレコレ指示をしていましたが、これを彼女が自分でするようになったのです。
これを見た時私は小さな感動を覚えました。
今まで言われた事、注意された事などは繰り返しミスをしていましたが、自分で考えて自分で動けるようになるとミスは確実に減っていきました。
これが小さな失敗を経験させるということなのかと気が付きました。
自分が困って初めて言われたことの意味を実感してもらえます。
自分が困った事は忘れない。怒られた理由は忘れても怒鳴られたという事は忘れない。それを根に持たれるとフォローが大変。
結果を褒めるよりも工夫や努力を褒める
「褒めて育てる」という言葉が有りますが、「褒めるとつけあがる」といわれる事も有ります。
褒められると承認欲求が刺激されてもっと頑張ろうという気持ちになります。
これが褒めて育てるの使い方です。
一方、褒められて私は凄いんだ、何でもできるんだと勘違いしてしまい努力をしなくなったり、手を抜いたり、傲慢になりいう事を聞かなくなってくる。
これが褒めるとつけあがるです。
では褒めて育てるにはどうしたらいいのか?
それは結果を褒めるよりも工夫や努力などの工程を褒める事です。
もちろん結果を出したのならばそれは称えてあげるべきです。
しかし結果だけを褒めてしまうと過去の結果を引きずってしまい、
「私は出来るんだ」
「私はいつでも結果を出せるから今は努力しなくてもいいや」
「今回結果が出なかったのは私のせいではない」
など、ついには結果が出せなくても自分の責任ではないと言い訳をしてくるようになってしまします。
しかし工夫した工程や努力自体を褒められるとまた次もこんな工夫が出来るんじゃないか、努力しようと内容を楽しむようになります。
勿論、結果を出さなければいけないという目標がありますので、工夫や努力をして結果が出なければ何かもっと改善出来るところはなかったのかなど親密にコミュニケーションを取る必要があります。
いくら努力を褒め続けても結果が出なければ本人のモチベーションも下がるし、「結果が出なくても努力さえしていればいいんだ」など間違った解釈にならないように導いてあげましょう。
そうすると長い目で見た時の結果はどうなるのかはっきりとわかりますよね。
販売部の実例
ある日、販売部の方からとても良い売上報告が上がってきました。
内容を聞くとA子さんが接客した中で大口のお客様がいたという事です。
もちろんここでA子さんを褒めてあげたいのですが、
「凄いね、良くできたね。君も販売が上手になったね。これからも頑張って」
と言ってしまうと、次も結果を出すために頑張らなければいけないと本人には大きなプレッシャーになってしまいます。
A子さん「今日はたまたま大口のお客様が来てくれたからこの結果が出せたけどこれを明日も明後日も期待されると厳しいんだけどなあ」
と思っているかもしれません。
翌日はもちろんそんなお客様が続くわけでもなく、「今日はダメだったな。また明日頑張ろう」
その次の日も、「今日もダメだったか。まあ焦らずに頑張ろう」
上司としては大金星をいつも期待しているわけではないので続けてあるわけがないとはわかっていますが、本人には頑張って欲しいからこう言ってしまいます。
そうするとA子さんは私は頑張っているけど結果が出せない、ダメなんだと心が折れてしまいます。
ですのでこの場合は何故この大金星をつかめたのかその経緯を聞いてみて、
A子さん「お客様が通りかかった時にお声を掛けたらうちの商品に興味をもって頂いて、話を聞いているうちに今日は友達が集まるパーティがあって集まってくれた友達に渡すにお土産を探しに来ているとわかりました。そこでうちの商品はギフト対応も出来ますよとお薦めすると快くお買い上げいただいたそうです。」
そこでこのA子さんの行動を評価してあげましょう。
「ただ通りかかったお客様にお声をかけたのは良かったね。もしそこで素通りされていたらそのお客様は他でお土産を買っていただろうね。そのお声掛けでうちの商品に気づいてもらえた。」
「その次に接客をしている中でしっかりとお客様のお話を聞いていたからこそお客様は今日何を求めていたのかを見つける事ができたね。」
「君はしっかりと商品知識を勉強して自社の商品をアピール出来たから購買に繋がったんだね。」
このように結果をだせた工程を褒めてあげると結果を出すにはまず何をすればいいのかを考えるようになります。
能動的に行動する部下の育て方 ~まとめ~
台湾人が日本人と一緒に働くという事は、台湾人にとってとても好意的な感覚を持つ人が多いと思います。
しかしそう感じている中でも彼らは日本人は厳しい、仕事に対する価値観が違うなどそういった事も薄々と感じていると思います。
それでも「一緒に働きたい」、「少しでも何かを学びたい、経験したい」 と考える人達が働きに来ていると思うので、根本的にはやる気のある人材が来ているはずです。
部下はあくまでも上司の掌の中で踊らされているという気持ちを持ってこの子を伸ばすのは自分だと顧みて下さい。
仕事は人生の中でもたくさんの時間を費やします。
自分自身も仕事を楽しんで人生を楽しみましょう。
yoshiki-ojisan
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